東京の夜明け

「昔は ここから江戸の火事がよーく見えたそうだが 今では お日様も昇んねー 東京の空はいつも真っ黒ろだもんなー」 
青梅で出会った一古老のこの言葉が私の耳から離れませんでした。
まだ 間に合うかもしれない
 <昭和の終わり頃にはこんなデッカイ太陽が昇った日>を記録しようと決心しました。

 ビルの間から昇る小さな日の出ではありません。ビル群を いや都会を覆い隠すような巨大な日の出でなければなりません。
 武蔵 青梅 秩父と 此処からだと新宿が見えるに違いないと思われる場所を 地図と磁石を頼りに 凡そ一年 歩きまわりました。
更に その場所から <新宿と日の出が一直線になる日> これは 夏至と冬至を挟んで一年に 二日あるその日を コンピューターから割り出しました。
凡そ20ヵ所余りの候補地を見つけ 快晴の朝 今日こそはと 35ミリ映画と写真機材を妻と共に背負い 山登りに挑戦 3年。
 都会に生活していると解らないスモッグも 遠く離れてその凄さがよく解りました。
烈風吹く超快晴でありながら 日の出を決して見せてくれない真っ黒なスモッグの帯がいつも東京を隠しています。
まさに 青梅で出会った一古老の言葉に 偽りはありませんでした。
 遂に 1990年12月 気象台はじまって以来の冬の異常台風が関東地方を襲いました。
竜巻と突風が荒れ狂った翌朝 新宿から40キロ離れた 埼玉の天覧山が 
この <日の出と新宿が一直線になる日>に一致。 
この <奇跡の日の出>を捉えることに成功
したのです。 そして この年 奇しくも都庁が完成。

 東京の空に デッカイ太陽が昇りました
 誰もが曽って見たことがない巨大な日の出が 東京を覆いました
 此の たった一度の感動の朝は もう二度と味わうことが出来ないでしょう

*尚 此の35mm映画は 1990年12月 丁度 湾岸戦争たけなわの頃
 NHK・朝のモーニング・ワイドで紹介されました。
 また、その後、大手証券会社のコマーシャルにも採用されました。

 DATA : NIKON F-Ⅱ  800mm F.11 1/250
 FUJI VELVIA  倍・増感
 1990年12月28日  6時51分

撮影 三 上 琇 正

黎明の東京スカイスクレーバー

新宿から凡そ60キロ西へ、秩父近くの峠から捉えた黎明の東京スカイスクレーバーです。
下の最初の写真は、1990年の新宿副都心の美しいシルエットしかありませんでしたが、今では広大な広がりを見せるようになりました。
しかし 次々と立ちあがる高層ビルで新宿のシルエットは無くなってしまいました。

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はじめ狙っていた都庁舎を中心としたポイントが オペラハウス、ガスビル、六本木タワー、
東京ミッドタウンと、その幅が どんどん広がりました。それに伴いポイントも増えましたが、
東京の夜明けは、相変わらず濃いスモッグに覆われています。


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