第16回ブログ(6月)

2024-06-20 UP!

皆様こんにちは、前回に引き続き「東京の夜明け」撮影時の資料を公開していきます。(前回、第15回はこちら

今回は緯度経度やら角度、時間を計算したノートの一部を公開!

画像は拡大して見て下さいな!

 

まずはこちら、前回の大きい地図に書かれていた都庁と撮影候補地点の位置関係の図です。

これを見て気付きましたが、読売ランドからも考えていたみたいですね。この角度だと都庁と新宿や渋谷の建物、東京タワーが真横に並ぶ構図になるので、ここで撮られていたら他の候補地とはまた違った写真になったでしょう。

 

次は、汎用的な知識・計算部分です。

 

日の出を撮りに行っているので、厳密に色々と計算しようとするとこういうことになるんですね。というか地球の図解、上手過ぎません???さすが絵を書いていただけあって美的センス完璧ですね。私には遺伝しませんでした(泣)。

まぁ冗談はさておき、おそらくこのページは基礎知識として書いたものでしょう。最初は日食か月食の計算でもしているのかと思いましたが、ノートに記録されている撮影日には特にそのようなイベントが無かったので、あくまで緯度経度の理解のためと見受けました。

地球のページの上に知識の“識”と付箋にメモされてますし!日の出入りというメモもありますし!日の出の写真のためのノートに突然別件を書くイメージもありません!というわけでそういうことにしておいてください!

 

では次、もっと個別の具体的な部分です。

とりあえず最終的に「東京の夜明け」の撮影地になった子の権現から…

一番上の北緯35度54分21秒、東経139度11分28秒は子の権現の位置ですね。ただし、2011年に緯度経度が日本測地系から世界測地系に変わったようで、撮影はそれ以前なので日本測地系での表現になっています。世界測地系は大雑把に言えば東に約290m、南に約350mずらしたものらしいので一応今でも子の権現が出てきますよ!

で、次の12.1、2、3…は日付な訳ですが、その隣が難敵でした。結論を言えば単純に地平線の東経です、ハイ。突然の116やら117やらでヒーヒー言って特定作業してました…ご丁寧に()で時刻が書いてあるのでそこで気付いてもよさそうなんですけどね、オペラハウスの東経出してどうすんじゃいと混乱してました。あとは北緯が一応書かれてるくらいですかね。まあ大事なのは時間ですよ!時間!

 

あとは右下の紙の下にあった画角の図も拡大して載せておきます。

  

ちゃんと先程の東経117度が図示されていますね。

 

ではその他枠で子の権現近くの正丸峠も載せておきます。

 

 

こんなのが全部で39カ所分ありました。一部はちょっとだけ計算だけして終わっているので候補から消したみたいではありますが、大半の場所に一度足を運んだと記録されていました。撮影自体は14カ所に行き、下見、悪天候日除く撮影日は計29日だったようです。1990年から1993年の冬に行っていました。ここまで計算尽くで4年かかるとは…尋常ではない執念と言いますか、意地を感じました。

 

現代はSNSを開けば驚くほど綺麗な写真がいくらでも出てきますが、それを見る私たちは撮る時の苦労を知りません。偶然撮れたものもあれば、年単位で挑戦し、実った結果かもしれません。情報過多社会でコンテンツの一部を切り取る関係上、綺麗な部分だけが見せられることが多いです。それでも、一枚の写真ですら途方もない努力と時間を懸ける者達が居ることを知って頂けると嬉しいです。

以上!そんな者の孫からでした!

 

さて、次回はどうしましょうか…



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